京都で「日本一早い」茶摘み 福寿園、新春に爽やかな香り

「日本一早い」と銘打った新年の茶摘みが5日午前、京都府木津川市相楽台の福寿園CHA遊学パークであった。温室内で芽吹いた色鮮やかな茶葉を研究員らが丁寧に摘み、茶業発展を祈願した。

 

同パークは、通年栽培に向けた研究の一環として、温室(約100平方メートル)で茶を栽培している。京都府南部では露地栽培の初摘みは5月上旬になるが、11月下旬から暖房などをして育成を促し、新年早々に摘んで新茶にする。

 

今回は12月下旬から覆いで日光を遮り、うまみの濃いかぶせ茶も冬にできるか試したという。

 

さわやかな香りが漂う温室内で福井正興社長や研究員らが茶葉約5キロを摘み、宋から茶の種を持ち帰った栄西禅師ら先人の像に供えた。午後に同社の宇治茶工房(宇治市)で手もみ製茶をし、招待客に振る舞う。

 

京都で「日本一早い」茶摘み 福寿園、新春に爽やか香り : 京都新聞

 

# 日本の臨済宗禅宗の一派)の開祖である栄西(ようさい/えいさい、1141-1215)は、二度宋に渡って禅宗を学び、禅院で飲茶が盛んに行われているのを、見聞きしました。帰国後、栄西は日本初の茶の専門書「喫茶養生記(きっさようじょうき)」を著し、お茶の効能を説きました。しかし、800年前からお茶の効能を説き、現在の癖とされていた将軍源実朝に良薬としての茶にそえて、本書を献上したと「吾妻鏡」に記されています。15世紀には村田珠光(1423~1502)は「詫茶(わびちゃ)」これを受け継いだ武野紹鴎(たけのじょうおう、1502~1555)、千利休(1522~1591)らによって「茶の湯」が完成。歴史であり、現在に受け継がれている。お茶の効能を利用してきた先人たちの知恵に、今ようやく科学の光があてられていると言えるだろう。