コーヒ国時代に突入京都、新規VS地場店

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関西初出店のコーヒー専門店が、京都市に続々と進出している。独自の製法による味わいや店づくりを売りに、コーヒー愛飯者が国内で最も多いとされる市民や、観光客の取り込みを図る。迎え撃つ地場チェーン店も、新たな商品や業態を展開。古都がにわかに「コーヒー激戦区」となっている。

 

  • 1杯700円超の高級コーヒー

 

5月23日、ドトールコーヒー(東京)が運営する高級ブランドのカフェ「神乃(かんの)珈琲」が、中京区にオープンした。2店舗がある東京以外では初出店。ドトールの通常店で販売するブレンドコーヒーの3・5倍の価格という「スペシャルティコーヒー」(756円)を目玉商品に据える。

 

豆の品質や焙煎、サイホンでの抽出といった風味の工夫に加え、落着いた雰囲気の内装にこだわった。最近は気軽に飲めるコンビニやチェーン店のコーヒーが人気だが、落合清貴取締役は「京都は古くから喫茶店文化が根付くまち。味にこだわる高級志向の人も多く本格的なものを提供したい」と地元客や訪日客をターゲットに高級路線を貫く。

 

「コーヒー界のアップル」と呼ばれる米国抜群のブルーボトルコーヒージャパン合同(同)も今年3月、関西初の店舗を左京区南禅寺近くにオープンさせた。注文を受けてから入れるドリップコーヒーや町家を現代的に改善した内装が人気といい、ファッツン性の高さも手伝って店先に行列が連日できているという。

 

  • コーヒー消費、京都市が全国トップ

 

総務省統計局の家計調査によると、2人以上の世帯あたりの年間コーヒー消費量(2015~2017年平均)は、京都市が3504グラムで全国トップ金額も7987円と、大津市に続いて2位だった。

茶店数や在住・観光の外国人が多いこと、パンの消費量の高さなどが理由と考えられる。

 

首都圏からの相次ぐ出店に、地場チェーン店も負けていない。京滋を中心に10店舗を運営する小川珈琲左京区)は下京区の京都駅中央口店を6月5日にリニューアルオープンさせる。

 

週替わりのスペシャルティコーヒーの提供や、窒素ガスを使うコーヒーサーバーの導入、

バリスタ(船内知識と技術を持つ店員)の配置を予定。同社企画発課は「新商品やサービスの強化で差異化を図る」とアピールする。

 

前田珈琲(中京区)は、観光施設やホテル内への出店で観光利用客の利用を狙う。

コーヒー専門店「ウニール」を展開するヒサシヤマモトコーヒー(長岡京市)は昨年、京都マルイ(下京区)の中にコーヒーカウンターを設置。新たな客層に開拓でからの進出店に対抗する構えだ