認知機能低下につながる7つの習慣 ネクタイも悪影響

私たちの日常的な習慣と認知機能との関連性について先ごろ、いくつかの興味深い研究結果が発表された。長期間の生活習慣は、脳の力を大幅に低下させたり、高めたりする可能性があるという。

 

認知機能を低下させ得る全ての行動を変えることはできないだろう。だが、以下に挙げる習慣とそれによってもたらせる状態については、変えるための努力をすることができる。

 

◦ 脱水状態

 

今年7月に発表された研究結果によると、ごく軽度の脱水状態でも、認知機能には影響が出ると見られている。注意力を必要とするタスクにおいては、脱水状態になり始めた早い段階からミスが出始める。さらに状態が進めば、間違って回答などをする頻度はさらに増加するという。

 

体内の水分が2%失われると(水分を取らずに行う数時間の運動でこの状態になる)、計算・論理能力に影響が出始めることが分かっている。

 

◦ ネクタイの着用

 

7月に発表された別の研究結果によれば、ネクタイの着用で脳への血流量の約7%減少する可能性があるという。

 

“社会的に望まれる絞首”について調査した研究チームは、調査に参加した男性を2つのグループに分け、一方だけにネクタイを着用してもらった。その後、脳への血流量をMRI(磁気共鳴映像法)で測定したところ、ネクタイの結び方がきつかった男性ほど、脳への血流量が減少していた。

 

◦ 砂糖の摂取

 

砂糖が神経系と認知機能の健康に悪影響を及ぼすことは、すでに報告されていることだ(糖が原因で昏睡状態になることは、かなり広く知られている)。

 

今年発表された別の研究結果では、グルコースブドウ糖)またはスクロース(ショ糖)のいずれかを摂取した人たちは、フルクトース(果糖)またはプラセボを摂取した人たちよりも、認知機能検査の結果が悪かった。砂糖はアルツハイマー病との関連性が示されていることから、驚くべき結果ではないだろう。

 

◦ 教室でのスマホの使用

 

米ラトガース大学の研究チームは、同大学で認知心理学を専攻する学生118人を対象に、教室での携帯電話とタブレット、ラップトップの使用を認めた場合とそうではない場合の成績の違いを1学期にわたって調査した。

 

期末時点での成績は、これらの機器の使用を禁止された学生たちの方が5%高くなった。使用が認められていた学生たちは注意散漫になり、記憶が妨害されたとみられている。こうした関連性を示した初の研究結果ではあるが、同様の影響は職場や家庭でも出ていると考えられる。

 

◦ 慢性的なストレス

 

慢性的なストレスが精神的能力にも悪影響を及ぼすことは、すでによく知られている。

 

◦ 社会的つながりの欠如

 

社会的なつながりの欠如とそれによる孤独は、心身の健康に重大な影響を与える。このことはすでに、いくつもの研究結果によって指摘されている。

 

特に、高齢者への影響は大きいとされている。数年前に発表された研究結果では、社会的孤立は将来の認知機能低下にとって多大なリスクになり得るとの見方が示された。

 

◦ 睡眠不足

 

昨年発表された脳細胞と認知機能をリアルタイムに観察した研究結果では、夜間の睡眠が不足すると、認知的作業における脳細胞の反応が遅くなり、間違いも増えることが確認された。

 

# 日頃の行動や習慣によって、変えられるのだ。個人によってちがうが、一日自分なりの充実した生活をして下さい。