731部隊の構成全容明らかに 国立公文書館が名簿開示

(京都新聞)

ペストを投与した人体実験の疑いがある論文の検証を要請している「満州731部隊軍医将校の学位授与の検証を京大に求める会」(京都市中京区)が14日、京都大で記者会見し、国立公文書館から関東軍防疫給水部・731部隊「留守名簿」の開示を受けたと発表した。

 

軍医や技師、看護婦など投種と階級留守宅を記載したもので、3607人が実名で記されていた。研究者は「731部隊構成の全容がわかる第1級の資料。政府が詳細な公文書を保管していたことが戦後70年以上たって初めて明らかにできた」と話している。

 

今年1月に公開されたのは、敗戦約半年前に作成された名簿。2016年に開示請求した際は「親族や戦犯とその親族を特定する情報」だとしてほぼ黒塗り部分開示だったが、引き続き開示を求めていた。同会事務局長の西岡勝夫滋賀医科大技師49人、雇員1275人、衛生兵1117人など731部隊の構成が判明。戦後に京都大医学部長を務めたのは故岡本耕造教授(戦前は講師)は「技師4等」の処遇だった。

 

また、同会では、京都大文書館から、戦後に京都府医大学長を務めた故吉村寿人・京大医学部講師ら京大医学部の講師クラスの研究者6人が731部隊派遣を発令日時や1日陸軍での階級を特定できる文書「学級」(1938年・京大庶務課作成)も発掘した。同会は今月、京大に対し、731部隊所掘者に関係する文書の開示請求を行っている。

 

14日は同会主催の講演会「研究者が戦争に協力する鬨731部隊の生体実験をめぐって」があり、約150人が参加。常石敬一・神奈川大名誉教授が京大出身の731部隊軍医少佐が博士論文として提出したペスト菌特殊実験について講演し、「ペストに感染させたノミが石井部隊の主要な生物兵器だった。人体実験した論文を得難い実験として評価したのは京大に問題がある」と指摘した。


#.全ては戦争のためとは言え細菌兵器の研究し、捕虜らに人体実験をしたとされる1日731部隊。京大は約20人の731部隊関係者に学位を授しているということは問題だろう。論文がどうであれ、これは許されない出来事だ。現在731部隊将校の学位取り消しをアピールする検証の必要性があると言うことだろう。