メキシコで左派大統領誕生へ対立候補が敗北宣言

メキシコに１日に投開票された大統領選で、左派候補のアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール氏（64）が勝利することが確実な見通しとなった。

選挙管理委員会によると、元メキシコシティ市長のロペスオブラドール氏の投票率は約53％となったもようで、次点となった候補の2倍以上だった。

主要な対立候補たちも敗北を認め、名前の頭文字から「アムロ」の略称で知られるロペスオブラドール氏の勝利を祝福すると述べた。

開票の初期段階で３位となっている与党、制度的革命党（PRI）ホセ・アントニオ・ミード候補は、支持者たちの前で、ロペスオブラドール氏が「大きな成功を収める」のを期待すると語った。

PRIは過去100年間の大部分の期間でメキシコ政治を主導してきたが、人気が低下している

今回次点となる見通しの保守派・国民労働党（PAN）のリカルド・アナヤ候補は、ロペスオブラドール氏勝利のニュースを受け、「彼の勝利を認める。お祝いを述べたい。メキシコのため、彼が大きな成功を収められるよう願う」と語った。

ロペスオブラドール氏の反応

選挙後、初めて発言したロペスオブドール氏は、汚職や免責の撲滅を新政権の最優先課題にすると語った。

ロペスオブラドール氏はさらに、米国との「友好的かつ強力的な関係」を目指すと述べた。

貿易や移民をめぐってメキシコを激しく批判するドナルド・トランプ氏が2016年の米大統領選で選出されて以来、米国とメキシコの関係はぎくしゃくしている。

しかし、ロペスオブラドール氏の当選確実が伝わるとトランプ大統領はツイッターで、「メキシコの次期大統領になったアドレス・マヌエル・ロペスオブラドール氏にお祝いを言いたい。彼と協力できるのをとても楽しみにしている。合衆国とメキシコ両方にメリットがあるたくさんの課題がある！」とコメントした。

大統領選を含む総選挙の期間中は130人以上の候補、党首が殺害されており、過去数十年で最も多くの死者を出した選挙の一つとなった。

何が争点だったのか

ロペスオブラドール氏は過去２回の大統領選で次点となっていたが、今回はPRIとPANがメキシコの政治を主導してきた状況に幕を下ろさせるのに成功したもようだ。

ロペスオブラドール氏は両党が「権力のマフィア」の一部だと述べていた。

メキシコの多くの有権者たちが、現職のエンリケ・ペーニャ・ニエト大統領率いるPRI政権に失望感を強めていた。特に景気低迷や汚職の蔓延（まんえん）に不満を募らせていた。

ロペスオブラドール氏は汚職撲滅を選挙公約の柱に掲げていた。横行する制度乱用の根絶で賃金や年金を改善させると約束した。

対立候補たちは、ロペスオブラドール氏が大衆迎合主義者（ポピュリスト）で経済の舵取りは任せられない候補だと有権者に印象付けようとした。

有権者数は約8800万人で、大統領のほか上院議員128人、下院500人がそれぞれ改選され、州など自治体レベルの選挙も今回実施された。

メキシコシティのトラルパン地区にある投票所では、ロペスオブラドール氏が投票する様子を見ようと大勢の人が集まった。ロペスオブラドール氏は今回の選挙を「歴史的」だとし、記者らに「我々は本当の変革の可能性を代表している」と語った。

＃　メキシコにとって歴史的大統領選だと言えるでしょう。しかしだ、投票日に考えられないが党員２人が殺害され、西武ミチョアカン州で労働党の党員１人が死亡したほか、中部プエブラ州でPRIの党員１人が死亡しているのだ！有権者にとって投票する勇気を持っていることだ。世界では考えられないことだからだ。自分たちの国を汚職、マフィアから守るのだと強い意志がある。有権者にもパソコン・スマホなどで世界から情報が入り、このままだとメキシコはダメになると理解している。もう一つは、なんといっても米大統領ドナルド・トランプ氏が選出されたことだ。（貿易や移民をめぐってメキシコを激しく批判している）トランプ氏はその後、移民家族をめぐる政策を撤回したが、現在も約2000人の子供と両親と引き離された状態にあるのです。メキシコの政治地図を塗り替えた選挙だ。