日本で子育てをしている3つの理由

 

 

1つ目は、日本の医療システムです。1歳未満の乳児死亡率と妊産婦死亡率は、日本は世界最低で、世界で最も赤ちゃんが安全に生まれてくる国と言われています。また、周産期以外の医療も充実しています。医療保険制度で病院受診を制限している国もありますが、日本はそういった制限もないので、「すごく体調が悪いのになかなか病院にかかれない」という問題は起きません。

 

2つ目は、安全面です。私自身は乳幼期をニューヨークで、10代をシカゴで過ごしましたが、どちらの地域もとても危なく、自由に外に出ることはできませんでした。高校生のときに参加したあるプログラムでは、寮から2分の食堂に行くのに、、毎日寮母さんがご飯に行く子を全員集め、出発前に警護を呼び、銃を持った警備員に前後を固められた状態で食堂へ行っていたほどです。

 

3つ目は、日本の教育システムです。日本全国どこへ行っても、公立小中学校では一定のレベルで教育が提供されています。どんな子どもも分け隔てなく、無料で教育が受けられます。詰め込み型という批判がありますが、諸外国に比べて教えられている内容が少ない日本は、教師が必要な知識を教えた後、子どもたちが自分たちで問題を解決するアプローチをとる授業をする余裕があります。

 

たとえば、私は東京都新宿区立大久保小学校でボランティアをしていたことがありますが、大久保小学校の子どもたちは、常に疑問を持ち、行動し、学んでいました。「差別をなくしたい」と差別について調べ始め、「自分たちが見つけたことを広く社会に伝えるにはどうしたらいい?」と考え、多文化共生をテーマにしたアニメの制作を行い、新宿区エコワングランプリで大賞を受賞しました。

 

こうした子どもたちの活動を教師や周囲の大人がサポートし、形にしていく。その中で子どもたちが自信をつけ、さらに自らで考え行動していくという総合学習の時間は、詰め込みだけではない日本の教育の良い面でもあるのです。

 

『日本の15歳はなぜ学力が高いのか?』

 

今回記事を執筆するにあたり、「日本の15歳はなぜ学力が高いのか?」(早川書房刊)の著者ルーシー・クレハン氏インタビューしました。

同氏の目を通じて、フィンランド、日本、シンガポール、中国(上海)、カナダの5カ国の教育制度や教育事情。トップの国々の教育を調べまわった紀行をまとめたもの。

 

インタビューでクレハン氏は、小さい国で効果が出ている方法が必ずしも大きな国で効果が出るとは限らないことを指摘しつつ、「フィンランドシンガポールといった小さな国々と比較して、日本は大きい。これだけの人数に対して、レベルの高い教育を行えている国は数少ない」と日本の教育を評価。「その国が価値をとしていることを基準に、教育システムを考えること」が大切だと言います。

 

日本で子育てすることを決め、また同書で日本の教育を見直してはいますが、日本を賞賛するわけでも、するべきだと言うつもりもありません。でも、すべてを卑下する必要はないと考えています。良いと思うところは認め、悪いと思うところは、どうしたら良くなるかを議論していく――。そうして、自分が今いる場所を、未来の子どもたちのために良い環境にしていくことが、大切なのではないでしょうか。

 

# 私も長女6歳、長男4歳の時に私1人で育ててきた経験で日本で良かったと実感したことがある。著者が答えているように、医療システムでは常に助けられていた。私は逆に男手1人で育てて行かなくてはならなかったので、子供が病気などした時には医師、看護婦さんに感謝でした。子供が保育園の時など親子遠足などの時は私は仕事で行けないどうしたら良いかと保育園に相談したこと、全て先生がカバーしてくれたことなど日本の教育・体制に救われていた。後言えるのはどんなに忙しくても必ず家事は、子供と一緒にすることです。そうすれ自然に生きる力をつけるのです。