東京五輪日本人の「マナー」自分の意見ははっきりと

6/5

東京新聞

〈談輪誘発〉国際マナー研究科・畑中由梨利江氏

 

2020年の東京五輪パラリンピックまで、あと2年と少し。1964年までの東京五輪以来、56年ぶりの開催で、いま東京を含む会場周辺では、ハード、ソフト両面で準備が急ピッチで進む。

 

前面の東京五輪は、アジア初。世界各国から多くの選手や関係者が来訪。観光客も5万人が訪れたという。

 

当時、日本人が外国人を見る目は、どのようなものだったろう。「青い目にブロンド髪」はわれわれと違う。別世界から来た人々という感覚ではなかったか。

 

1978年に開港した成田空港。入国審査フースには外国人の意味で、「ALIEN」(エイリアン)と書かれていた。その14年前の東京五輪である。

日本人の外国人を見る目は「異星人」の感覚でだったかもしれない。

 

前回の東京五輪を迎えるまでは、日本人もあまりマナーがなかった。「ごみはごみ箱に捨てる」とか「たんをはいたり、立ち小便をしないように」...。

東京都が国民に呼びかけたほどだった。

 

その後、マナーは改善されて、今やサッカーの国際試合で観客席のごみを拾って帰るのも、日本人だからこそできることだ。レストランで食事の際にお手拭きを出す。客のために、尻が洗えるトイレの設備投資する。

先進国といえても、ここまでの“おもてなしは”珍しい。

 

現代の日本人は、ごみを拾うといった、目に見えるマナーは身につけているものの、人と人を結びつけるコミュニケーションのマナーが弱くなっているような気がしてならない。

それが原因で、人と話す時声が小さく、意見もはっきりいえなくなっているのではないだろうか。

 

相手を思う気持ちを大切だが、「イエス」か「ノー」かが言えないと、外国とのコミュニケーションで、問題が生じる可能性も高い。時には自分の考えをはっきり伝えることも、マナーであることをわすれてはならない。

五輪という異文化のコミュニケーションを通して、自分の意見をしっかり伝えるマナーを持っているなら、日本人こそが世界を、さらに「美しく」していけると思う。

 

#.私は、約2年前までは車ばかり乗っていたのですが最近になり市営地下鉄・私鉄・市バスに乗ることが多くなり、数年ぶりに地下鉄に乗り驚いたことは、訪日外国人の多いことだ。

今やインバウンドツーリズム、世界から日本を訪れる旅行者です。東京五輪に向け各業界は努力しているのがわかる。

例えば日本旅行業協会は訪日外国と日本国民の一般の双方に対して、異文化への啓発の必要性に力を入れている。

レンタカーを利用する訪日客も増えているため国土交通省はビックデーターを活用し、外国人が事故を起こしやすい地点を特定し、多言語による注意課喚起等の事故防止策を進めている。

私たちは、マナーに対して、ほんとうに意識しなければならない。びっくりするほど訪日外国人は日本人よりも良く調べて訪れていることを皆さんに知ってほしいです。