【サッカーW杯】日本のサポーターがまたやった 試合後のゴミ拾い

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BBCニュースアンドレス・イルマ―記者)

白熱したサッカーワールドカップ(W杯)の試合後、熱狂の中あるスタートはいつも残飯やコップ、包み紙などが散乱している。

 

19日、W杯ロシア大会での初戦で日本代表はコロンビアを2対1で下し、南アメリカのチームに初めて勝利した。日本のファンには狂喜乱舞する十分な理由があった。

 

しかし日本代表がグラウンドでコロンビア代表をきれいに片付けた後、ファンも同じことをした。

自分たちが座っていたスタジアムの座席を念入りに掃除し始めたのだ。

 

持ち込んだ大きなゴミ袋を手に列の間を歩き回ってごみを拾い、開場時と同じくらいきれいにしていった。

 

こうしたことは今回が初めてではない。「サムライ・ブルー」のサポーターたちは、いつでも良いマナーを破ることはない。

 

英国人のクリストファー・マケイグさんはツイッターで「今のところW杯で一番好きな場面は、日本がコロンビアに勝った後、日本のファンがごみを拾っていたこと。この試合で私たちが学べること。日本を応援する理由」と話した。

 

在トリニダーゴ・トバコ・カナダ大士官のレスリー・アン・ボワッセイユさんも、「日本のファンが、W杯の試合後に座っていたところ掃除している。すばらしいお手本。なんて素晴らしい!よくやった日本」とつづいた。

 

日本に住むスポーツジャーナリスト、スコット・マッキンタイヤさんはBBCの取材に対し、「これはサッカー文化だけではなく、日本文化の一部だ」と説明した。

マッキンタイヤさんは、日本のチームの取材のためロシアを訪れているが、サムライ・ブルーのサポーターの一風変わった気質にも驚くことはない。

「サッカーは文化の鏡だという人がいる。日本社会の重要な一面として、何もかもが清潔に保たれていることがある。あらゆるスポーツイベント、もちろんサッカーでもこのことが言える」

 

掃除は幼少時代からの習慣

 

こうした光景は、日本での試合を見に来た外国人が驚く出来事のひとつだ。

 

マッキンタイヤさんは、「スタンドの床にペットボトルや食べ物のパッケージを置いていこうとすると、日本人に肩を叩かれ、ごみは置いていってはいけない、片付けるか家に持って返るべきだと論されることがある」と話す。

 

日本人にとって、掃除の習慣は幼少時代から教え込まれるものだ。

 

「サッカーの試合後の掃除は学校で習った基本的な習慣の延長。子どもたちは教室や廊下を掃除する」と、大阪大学のスコット・ノース人間科学教授は説明する。

 

「幼少時代に定期的に覚え込まされることで、多くの日本人の習慣になっている」

 

試合後掃除の光景が、ソーシャルメディアで何度も話題になっていると知ったら、日本のサポーターはどう思うか。、もちろん、彼らは誇りに感じている。

 

ノース教授は「彼らは掃除とリサイクルの必要性を高く意識しているだけではなく、W杯のようなイベントでそれを行うことで自分たちの生きへの誇りを示し、我々にシェアしている」と指摘した。

 

「責任感をもって地球を守る必要性を表現するのに、W杯以上の場所はない」

ただ、日本人に情熱がないというわけではないとマッキンタイヤさんは話す。情熱があっても、基本的な振舞い方を忘れたり、ましてや暴力につながることはないのだという。

 

「当り障りがなく退屈に聞こえるこもしれないが、これが尊敬と礼儀正しさの上に作られたこの国の現実」とマッキンタイヤさんは笑った。「それがサッカーの場にも及んでいるだけだ」。

 

「W杯でさまざまな国や人々や一堂に会し、こうしたことを学び合えるのは素晴らしいと思う。これがサッカーの良さだ」