トランプ米大統領「米国を移民キャンプにしない」批判に反発

ナルド・トランプ米大統領は18日、移民をめぐり「ゼロ寛容」政策への批判を受け、米国は「移民キャンプ」にはならないと発言した。

 

ホワイトハウスの記者会見でトランプ大統領は「米国は移民キャンプにはならない。難民をとどめておく施設にもならない」と話した。

 

トランプ政権が推進する移民政策では、米国境を越えた不法移民の親子を別々に収容する措置が取られており、国内外から批判が噴出。国連のザイド・フセイン人権高等弁務官は「恥知らずな」政策だと非難している。

 

トランプ氏は政策を擁護するなかで、「欧州で起きたこと、他の場所で起きたことを見てみろ」と話した。

 

「私の在任中に米国であのようなことが起きるのを私は許さない」

 

また欧州諸国が何百万人もの移民を受け入れたのは大きな間違いだと指摘した。

 

特にアンゲラ・メルゲル独首相を批判しており、ツイッターで「すでにぼろぼろのベルリンの連立政権を移民が壊しているから、国民が政権に背を向けている。力ずくで文化を変えようとする何百万人もの人々を受け入れたのは欧州全体の大きな間違いだ!」、と矛先を向けた。

 

メルゲル首相は政権内のホルスト・ゼホーファー内相ともこの問題をめぐって争っている。

 

トランプ氏はまた、民主党が移民政策の交渉に応じないと批判した。

 

「ゼロ寛容」政策とは

 

トランプ政権の「ゼロ寛容」政策では、不法入国した成人を刑事裁判にかける。これには亡命を求める人も含まれる。その結果、何百人もの未成年が収容センターに送られ、親と引き離されている。

 

子供だけの収容が増えたことで、シェルターや里親家庭の数が足りなくなっているとの報道もある。米国では最近の6週間で2000近い家族がこうした状況に置かれた。

 

こうしたなか、トランプ政権はテキサス州の砂漠地帯に子どもたちを収容するテントの仮設住宅地を建設する計画を立てている。この地域では、気温が40度にまで上る。

 

政策を批判しているのは

 

米国内では民主党だけでなく、共和党内からも強い批判が飛び出している。

 

ラニア・トランプ大統領夫人は先週末、「子供たちが家族と引き離されるのを見たくない」と述べて夫の政策を批判した。

 

また、ジョージ・W・ブッシュ元大統領の夫人、ローラ・ブッシュ氏もワシントン・ポストへの寄稿でこのやり方は「非人道的」で、第2次世界大戦中にあった日系米国人の強制収容所を思い起こさせると批判した。

 

民主党からはバラク・オバマ前大統領の妻のミッシェル・オバマ氏がローラ・ブッシュのツイッターを引用し、「時に真実は党派を超える」と加勢した。

 

大統領選でトランプ氏と戦ったヒラリー・クリントン氏は、家族を引き離す政策は法律に定められているという。各方面から反証されているトランプ氏の主張は「まったくの嘘」だと話した。

 

このほか、チャーリー・ベイカー。マサチューセッツ州知事(共和党)は18日、この「非人道的な」政策に反発し、米南部の国境警備隊を支援する決定を取り消した。しかし、共和党議員のほぼ全員はこの政策をめぐってトランプ氏を批判するのを拒んでいる。

 

保守派のコメンテーター、アン・コルター氏はカメラに捉えられた国境で親と引き離され泣いている子供たちが「子役」だと主張した。

 

コルター氏はフォックス・ニュースでトランプ大統領に「だまされないで」と呼びかけた。

 

ニールセン長官はルイジアナ州ニューオーリーンズで行われた全国保安官協会の年次総会で、「米国民が我々に期待している役割を果たすために、我々が果たしている職務あるいは法務行当局が行う職務について、謝罪するつもりはない」と述べた。

 

「違法行為は罰せられなければならない。国境のフリーパスも、刑務所から自由に出られるカードももうない」ニールセン氏は17日にも、「国境で家族を引き離す政策などない。以上」とツイートし、大きな批判を浴びていた。

 

年次総会にはジェフ・セッション司法長官も出席し、オバマ政権が子供連れの成人の不法侵入を許していたことを非難した。「すぐに釈放され刑罰を受けないと分かっていて、子どもを連れて来ないわけがない」

 

# 亡命に関する規定が大切だと私は思う。例えば、家庭内暴力やギャングの被害者だったら…。この問題でジェフ・セッション司法長官は亡命を認めない決定を下している。私もこの件に関しては賛成している。誰これも認めていては大変なことになる。この件を考えているのだろうトランプ大統領は…。