出会いから銀行まで、シンガポールのデジタル快適生活

 

(Forbes JAPAN)

「この国は一度住んだらなかなか離れられない」

 

シンガポールで暮らす日本人からこのような言葉を聞くことはすくなくありません。現在、約3万人の日本人が住んでいるといわれるシンガポールですが、さまざまな面で快適さから、長期に移住することを選んだり、永住権を習得したりする日本人もたくさんいます。

(現在は永住権を習得する基準が厳しくなっていますが)。

 

シンガポールの国自体の面積は、東京23区とほぼ同じくらい。日本でもよく知られているマリーナベイ・サンズのあるマリーナ・ベイエリアに隣接するシティ・エリアには金融や情報関連企業、グローバル企業の東南アジア本社またはアジア本社が多数あります。

 

その街の中心であるシティ・エリアから車を30分も走らせれば、島の北端にまでたどり着いてしまうぐらいコンパクトなシンガポール。地下鉄やバスが島を縦横無尽に走っており、少し郊外のエリアからシティへ・エリアへの通勤も不便はありません。

そんな物理的なコンパクトさと同様に、快適で、効率的なコンパクトなシンガポール生活に大きく寄与しているものがあります。それは日々の生活に、デジタル化がしんとうしていることです。

 

シンガポールは新しいテクノロジーに柔軟

最近、シンガポールのYouGovという調査機関による、シンガポールマッチングアプリを利用したことがある、と回答。ミレニアル世代においては43%が利用という結果が出ています。これに対して日本ではどうでしょうか。MMD研究所とコロプラスマートフォン向けインターネットリサーチサービス「スマートアンサー」にて実施した共同調査によると、マッチングサービスアプリ自体の認知度は38.2%、うち利用経験者は22.8%でした。日本人では「アプリで出会いを探すだなんて」というような心理的な抵抗も強い気がします。

 

政府の強いイニシアチブで進むデジタル

日本と比較して、とくに便利で効率性が高いと感じるのは、公的機関によるサービスのデジタル化例えば税金の納付。シンガポールでは、外国人を含め年間2万シンガポールドル以上稼ぐ人に納税の義務がありますが、その手続きはすべてオンラインで完結します。

 

 

また、日本では決められた場所に書類を携えて申請しに行かなければならないパスポートの場合、国民はオンラインで写真や証明書についても、すべてオンラインで完結するようになりました。

 

公的機関に続いて便利だと感じるのは、銀行サービス。日本では、銀行に口座を開設してキャッシュカードを受け取るのに1週間程度かかりますが、シンガポールの場合は、手続きをしてその場で即日発行される場合がほとんどです。

 

国士が狭く、土地や資源、人口など国としての資源が限られるなかで、いかにGDPを拡大するかという生産性への強い危機感があることが、こうした国を挙げてのデジタル化を推し進めている背景にあるようです。

 

その努力もあってか、早稲田大学電気政府・自治体研究所が中心になった世界11大学の代表者からなる調査チームによると、シンガポールは2017年の世界電子政府ランキングにおいても第1位という評価。またIMD世界デジタル競争力ランキングにおいても、ランキングを構成する3つの分野で第1位の評価を得ています。

 

#.日本では、まだまだ時間が掛りそうだ。同じ先進国として置かれる状況の中、高齢者の増加によって労働人口の減少などがある日本ではテクノロジーに対しての理解ができていない。

少子高齢化の見えない格差社会がある日本にとっては未来に対して政府が危機感をもつことだ。