中国が「ワイン大国」になる未来、世界市場への影響は 

 

中国は現在、すでに世界のワイン市場に大きな影響力を持っている。将来は間違いなく、さらに大きな影響を及ぼすことになるだろう。だが、それが市場全体にどのような変化をもたらすのかは、今のところ分からない。寧夏回族自治区では8月末、各国の生産者らが出場する国際的ワインコンクールが開催された。同自治区では2005年には、たった1本のブドウの木も植えられていなかった。それが現在では仏ボルドー地方の3分の1近くに当たる約4万ヘクタールでブドウが栽培されている。

 

中国にとって、ワインは新しいものだ。伝統的に食事と一緒に楽しまれてきたものではない。だが、ワインに関する国内の状況は、ここ十数年の間に、大きく変化しているだろう。品質も向上しているはずだ。

 

栽培面積は世界2位

ブドウの栽培面積では、中国は世界第2位となっている。収穫されるブドウの大半は果物として、または、ジュースやレーズンなどの原料として使われており、ワインの生産量で2位ということではないが、国際ぶどう・ぶどう酒機構(OIV)によれば、フランス、イタリアを超える広さの土地で栽培が行われている。

 

ブドウ栽培面積の上位10カ国(2016年、単位:ヘクタール)

 

1位:スペイン(97万5000)

2位:中国(84万7000)

3位:フランス(78万5000)

4位:イタリア(69万)

5位:トルコ(48万)

6位:アルゼンチン(22万4000)

7位:チリ(21万4000)

8位:ポルトガル(19万5000)

9位:ルーマニア(19万1000)

10位:オーストラリア(14万8000)

 

ワインの生産量では、中国は世界6位だ。OIVによると、1位のイタリアの4分の1程度(約1140万ヘクトリットル、hl)だが、オーストラリア、南アフリカ、チリとほぼ同水準となっている。

 

ワイン生産量の上位10カ国(2016年、単位:hl(ヘクトリットル))

 

1位:イタリア(5090万)

2位:フランス(4360万)

3位:スペイン(3930万)

4位:米国(2390万)

5位:オーストラリア(1300万)

6位:中国(1140万)

7位:南アフリカ(1050万)

8位:チリ(1010万)

9位:アルゼンチン(940万)

10位:ドイツ(900万)

 

ボルドー地方最大の輸出先

 

中国はまた、主要なワイン輸入国でもある。高級ワインしか買わないなどともいわれてきたが、正確にはそうではない。汚職撲滅に向けた政府の取り組みが強化された数年以降、その傾向は薄れている。ただ、それでも中国が高価なワインを大量に輸入していることには違いない。人口の多い中国では、富裕層の人口も多い。

 

中国はボルドー地方の最大の輸出であり、2位に大差を付けている。これは、世界のワイン市場における中国の重要性を示すもう一つの例でもある。中国の消費者にとって特に重要なのは商品が確立されたブランドのものであるということだ。世界で最も広くその名を知られたブランドである「ボルドー産」ワインが中国でも好調な業績を維持しているのは、そのためでもあるだろう