スマホを捨てれば子どもの偏差値は10上がる「ながら勉強」が子どもに与える深刻な影響 

いまや多くの人の生活に欠かせない存在となったスマホ。自分はついつい長時間使っていても、子どもにはスマホの見過ぎを注意する人もいるでしょう。

 

スマホが子どもの脳に与える影響に関し、「脳トレ」ゲームを開発した東北大学川島隆太教授が、中学生2万人以上を対象に調査を行いました。その調査からわかったのは、「スマホを使用すると偏差値が10下がる」という衝撃の事実でした。

 

○ 学力低下は睡眠時間が短いからではない。スマホが学力を破壊する――。この原因として最初に考えたのは、睡眠時間の減少だった。携帯・スマホを長時間操作していれば、当然夜遅くまで起きていることになる。毎年行われている文部科学省全国学力調査結果から、睡眠時間の短い児童・生徒の学力が低いことがわかっている。また、睡眠不足が細胞内でエネルギー産生を行っているミトコンドリアの機能を低下させることも科学技術振興機構脳科学と教育」の班会議で報告され、学力低下の一因と考えられている。

 

2014年以降の調査では、平日の睡眠時間との関連も調査することにした。結論から言えば、睡眠の影響である可能性はほぼ否定された。十分に睡眠をとっていようが、睡眠不足であろうが、スマホ等の使用時間が長ければ長いほど成績が下がることが証明されてしまったのである。睡眠時間が6時間未満の生徒たちの成績はスマホ等の使用時間によらず全般に低いことがわかる。寝不足が学力を押し下げることは、紛れもない事実なのだ。加えて、睡眠時間の長さにかかわらず、スマホ等の使用時間が長ければ長い生徒ほど成績が低いことが見て取れる。

 

スマホ等の使用による成績の低下は、学習時間とも睡眠時間とも直接は関係していないことがわかった。スマホを長時間使ったことによって家での勉強時間が削られるから学力が低いわけではない。スマホを長時間使ったことによって睡眠時間が削られたために学習の記憶の定着が悪く学力が低くなったわけでもない。すなわち、スマホ等の使用が直接に成績に影響を与えて可能性が高いということだ。

 

○ 学力に強い影響を与えるアプリは

 

次いで考えたのは、スマホ等を使用したから成績が下がったのではなく、もともと成績の低い生徒達はスマホへの親和性が高いのではないかということだ。要は、原因と結果を取り違えている可能性はないかと考えたのである。

 

そこで匿名化を行ったうえで全ての児童・生徒の追跡調査を開始した。児童・生徒の個人情報は我々には開示されないが、その子にいわば背番号を付ける方法で、生活習慣と学力の経年変化を追跡調査できるようにした。

 

その結果

 

スマホ等を使用しないと良い成績が向上知っていく

スマホ等を使用し続けると悪い成績がさらに悪くなる

スマホ等の使用を開始すると良かった成績が低下する

④逆に使用を止めると成績が向上する

 

以上4点が明らかになった。つまり、もともと成績の低い生徒達のスマホへの親和性が高いのではなく、スマホ等を使用しているから学力が低下しているのだ。

 

LINEに代表されるインスタントメッセンジャーの使用が、最も学力低下の影響が強いことがわかった。追跡調査結果でも、強い負の影響が証明された。

 

試験の難易度などは教科ごとに異なるので、2017年度の最新データで4教科の平均偏差値を計算してみたところ、LINE等をまったく使わない群が50.8だったのに対し、1時間未満の群は50.2、同1~2時間は47.7、同2~3時間は45.1、同3~4時間の群は43.0、そして同4時間以上は40.6となっていた。偏差値で10以上の差が出る結果となったのだ。

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# 10代の若者だから、スマホ等を持っていたらダメだと思っていても、勉強中にゲームで遊んでしまうものだ。ゲームだけではなく、数々のアプリや音楽を聴いても成績に大きく影響、そしてメディア・マルチタスキングの学力への影響もシビアである。中学生、高校生だけではない、全ての年代にあてはまることを私は忘れてはいけないと伝えたい。